台湾鉄路~台湾7
▼台湾鉄路の路線網は,島を一周する路線と,枝線として短い路線がいくつかある程度だ(内湾線・集集線・平渓線)。人口の多い,島の西側を走る西部幹線(基隆・高雄間)が幹線扱いで,その他はローカル線扱いになっている。車両は古めかしいものから新しい電車まであり,製造国も韓国・イギリス・日本・南アフリカなど多彩だ。台北近郊を走る普通列車はロングシートの電車が多く,特急などの優等列車は,電気機関車が引く客車が多い。最も速い自強号やそれに準じる莒光号や復興号も客車である。自強号はさすがに新しい車両を入れているが,その他の車両はかなり年季が入っている。しかし,車内や座席は日本の特急よりもゆったりしていて,乗っている分には快適だ。 台鐵台北駅は,台湾新幹線が乗り入れたので,ホームが増えた。在来線は地下に2面4線あったのに加えて,南側に新幹線専用のホームが誕生した。しかし,地下にある改札が在来線と新幹線では異なるので,在来線のホームと新幹線ホームとの行き来は直接はできない。中国語でホームは「月台」と書く。ほとんどが月台1つに両側2本が線路になっている。日本ではその場合,1番ホームと2番ホームとするが,台湾では1Aホーム,1Bホームと名付ける(第1月台のAホームとBホーム)。月台1つに2つの番号を付けないのだ。台北駅(在来線)は2つの月台なので3A・3B・4A・4Bの4つのホームから成っている。台北駅は西部幹線の一部だが,始発列車は少ない。というのも待避線などが確保されていないからだ。東部に向かう列車は西の樹林発,高雄など,西部に向かう列車は東の基隆発などが多い。東部幹線に向かう優等列車は近年,自強号からタロコ(太魯閣)号に変わり(種別は自強号のまま),車両も日本製の最新車両に変わった。日本製(日立車輛)ということは居住空間が狭くなるので,あまり快適とはいえなくなる。揺れや振動,スピードの面では申し分ないが。台北駅は台北の西部にあり,東部には松山駅がある。松山以東は近年地下化され,これで台北市内を走る台湾鉄路はすべて地下を通り,踏切は一切なくなってしまった。台北と松山間は8kmほどあるので,間に駅があってもよさそうだが,作るつもりはないらしい。東京なら,間に1駅どころか2つも3つも駅を作ってしまいそうだ。台湾鉄路はもともと中長距離用の鉄道なので,都市部の移動には弱く,台北と高雄ではMRTがそれを補っているのだが,他の都市では補うものはバスしかない。【2012/8/17(金) 午前 9:38】 |
↓台北駅改札(地下にしかない)

台湾鉄路では,普通列車を,快速に相当する区間快車、普通列車に相当する区間車・普快車と分けている。東部幹線の非電化区間は,未だに客車列車が走っているらしいが,さすがに西部幹線はシルバー色のロングシート電車が走っている。車内への入口は段差があり,足の悪い人にはどうかと思う。窓は小さめで,「博愛座」(優先席)はちゃんと用意されている。乗り心地は可もなく不可もなくだ。時間は正確とはいえず,絶えず2~5分は遅れている。理由もなく遅れるが,東京のように人身事故で遅れることはない。列車に飛び込むという,恨みを持った自殺は日本だけの特殊性によるものであって,人に迷惑を掛けてまで自殺するというずうずうしさを持ち合わせていないのがアジアの人間である(注:日本は地理的位置以外アジアとはいえない)。優等列車の車両は,日本の特急と似ているが,座席の前後の幅が広いので,前の人がリクライニングを倒しても圧迫感はない。足置き台があること,缶飲料台が窓の下についているのが,日本の特急と異なることだろうか。 |
↓花蓮行き自強号の車内

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