皇后碑広場に集まる人々~香港35
▼香港島中環(チュンワン)駅の東側に小さな空き地がある。空き地といってもきれいに整備され,ミニ公園風になっている。道路を挟んだ南側の広場と併せて,ここは「皇后像広場」とよばれる。すぐ目の前(南側)に香港の裁判所が建ち,さらに北東の方向を見上げると,ここは中国の一部だということがわかるビルを目のあたりにする。そのビルの壁面には「中国人民解放軍駐香港部隊大厦」と書かれ,中国本土の軍隊が駐留している。威厳を放つビルで,まるで「香港は中国の特別行政区で,自由経済は保障するが,それ以外は中国共産党が口を出すよ。」と言っているかのようだ。しかし,このビルも香港の観光には一役かっている。というのも,このビルは,毎日午後8時から13分間,ビクトリアハーバーで行われる『シンフォニー・オブ・ライツ』の香港島側にある,レーザー光線を放つ20のビルの一つなのである。人民解放軍が観光に加担するのは不思議であるが,香港は観光でも大いに繁栄しているので,香港が繁栄すれば中国も繁栄し,中国共産党や人民解放軍も潤うという構図だから当然と言えよう。【2012/5/25(金) 午後 10:07】 |
↓皇后像広場

この広場,ふだんはわりと空いているのだが,日曜になるとどこからともなくフィリピン人の女性が集まってくる。実はフィリピンは,海外で働き,その稼ぎを本国へ送る人が500万人もいる国だ。つまり,在外フィリピン人の収入が,フィリピン国家を支えているといっても過言ではない。香港では富裕層を中心にメイドを雇うが,そのほとんどが今やフィリピン人である。故郷を思い,孤独感をしばし忘れ,仲間意識を共有するために,日曜日になると,香港中から彼女らがここに集合し,お互い故郷のことや近況を話し合ったり,ラジカセで音楽を流して聞いたりしながら,ひと時を過ごすのである。他にもこのような集合場所は香港内にあるということだが,ここが最もポピュラーらしい。フィリピン人メイドがいるから,香港では子どもがいても女性がバリバリ働けるのだともいえる。日本では東京・アキバにメイドがたくさん出没するが,彼女たちは普段富裕層の家でメイドをしているわけではない。フィリピン人のメイドの方がはるかに勤勉で,よく働くので,アキバのメイドと一緒にされては,フィリピン人のメイドが甚だ迷惑だろう。 |
↓広場の前の歩道には日本の観光庁が富山をアピールするポスターを貼っていた

- 関連記事
-
-
男人街のオープンレストラン~香港40 2012/09/08
-
シンフォニー・オブ・ライツ~香港39 2012/08/12
-
お宝GETするならキャットストリート~香港38 2012/07/21
-
金魚ストリートを歩く~香港37 2012/07/07
-
人気の菓子チェーン~香港36 2012/05/27
-
皇后碑広場に集まる人々~香港35 2012/05/25
-
深水電脳街~香港34 2012/02/12
-
ビクトリアピークは霧の中(後編)~香港33 2012/02/05
-
ビクトリアピークは靄の中(前編)~香港32 2012/01/29
-
女性が屋台でランチ!は当たり前~香港31 2012/01/22
-
香港のオタクビル~香港30 2012/01/15
-
Last Modified :