インスタントラーメンの代名詞「出前一丁」~香港27
▼香港の安価な食堂で公仔麺を頼めば,けっして冗談ではなく,真面目にインスタントラーメンを調理して持ってくる。韓国にも生麺というものがないので,飲食店で出てくるラーメンは皆インスタントラーメンだったが,香港でも同じだ。ただ,これ以外にもうどんのような麺(中国ではかんすいを使っていないこのような麺が主流)やマカロニを使った一風変わった麺もある。香港ではどの家庭でもインスタントラーメンがよく食されていて,スーパーマーケットのインスタントラーメン売り場には,袋麺,カップ麺など日本以上に売り場面積を割いている。袋麺の代表は日清食品の「出前一丁」である。昔から日清食品は中国への普及を働きかけてきたのが功を奏して,香港で「出前一丁」はインスタントラーメンの代名詞だ。この「出前一丁」を製造している会社の名前が「公仔」なので,インスタントラーメンのことは公仔麺と呼ばれるようになった。ベトナムでバイクのことを,作った会社はどこであれ「ホンダ」というのと同じだ。香港の「出前一丁」のパッケージは,日本のあのオレンジ色の1種類だけではなく,さまざまな色のパッケージや味があり,種類は25以上もあるそうだ。インスタントラーメン人気に乗じて,「出前一丁」のビーフンやパスタ麺などもあり,ラインナップは実に豊富で,スーパーマーケットでは「出前一丁」だけでも何を買おうか迷ってしまう。日本食ブームもあり,「神戸牛味」,「北海道味噌味」,「東京醤油味」,「九州とんこつ味」など,日本のご当地名のついたパッケージと味付けが並ぶ。日本で売られている「出前一丁」がたった1種類ということを考えるとなんとも羨ましい限りだ。麺一個の量は日本のインスタント麺よりやや多く,日本よりお得感がある。インスタントラーメンがホームパーティーのメニューの一つになっているほど香港ではなくてはならない食品になっているのだそうだ。【2011/8/13(土) 午後 5:22】 |
↓スーパーマーケットのインスタントラーメン売り場に並ぶ「出前一丁」の品揃え

香港の人たちはインスタントラーメンには目がない。日本ではカップ麺が中心になってしまい(メーカーとしては利益が高いからだろう),袋麺は風前の灯になってしまっているが,香港では袋麺の方がはるかに需要はあり,家庭には相当量の袋麺が備蓄されているので,台風の接近などで家から1~2日出られなくてもインスタントラーメンだけには苦労しない。年間でいちばんインスタントラーメンを食べる国は韓国で一人当たり約80食だが,香港もそれに匹敵するくらい食べているように思える。日本は意外と少ない。レトルト食品や冷凍食品,ホカ弁,スーパーの弁当などが豊富でかつ手軽なので,インスタントラーメンばかり食べる必要がないからだろう。「辛」でおなじみ,韓国のインスタントラーメンの一袋の量は日本より2割くらい多い。そのため,食事としても立派に成り立つが,カップ麺ではとても食事代わりにはならないため,韓国での需要も袋麺の方がはるかに多い。香港や韓国は袋麺が主流,日本はカップ麺が主流,やはり日本は大陸アジアとずれている。 |
↓わが家で買ってきた香港「出前一丁」

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