厳重?警戒,天安門広場~北京6
▼北京では,地下鉄に乗るにも荷物チェックがあるように,世界最大の広場,天安門広場に入るにも荷物チェックがある。単に中身を拝見するだけではなく,X線で透視して中を見るという空港並みの厳重?チェックである。そのわりには,皆当たり前のように和やかな雰囲気で荷物を自分で通し,機械から出てきたら受け取ってすたすたと天安門広場に入って行ってしまう。出るときはもちろんノーチェックである。天安門広場は四方を道路に囲まれていて,道路に接している部分に歩道はなく,腰ほどの高さの簡易的な塀がぐるっと一周しているので,チェックゲート以外からは入りにくい。ゲートとゲートの間はかなり離れているが,監視カメラがあるだろうから,入ることは容易ではない筈だ。【2011/1/22(土) 午後 2:22】 |
↓故宮側の地下道にある検問所

広場の名の由来になった天安門は広場の北,幅の広い道路を渡ってすぐ,毛沢東の写真が掲げられている大きな門だ。道路を挟むものの,天安門広場からも真正面に見え,その楼閣に上がることもできる。天安門は明・清王朝の皇城の正門である。明の永楽帝の時に作られ,承天門と名づけられたが,清の順治帝の時に改築され,天安門と改名された。天安門広場は総面積44万平方m,東西500m,南北880mある(東京・日比谷公園の3倍弱)。地面は加工を施した花崗岩が敷かれている。北側の道路下には地下鉄1号線が走っているが,最寄駅は天安門東駅,天安門西駅となり,どちらの駅からも,降りてから少し歩かねばならない(地下道とは直結していない)。南側には地下鉄2号線が走り,最寄駅は前門駅となる。この駅へはいったん広場を出て,道路を横断して地下鉄の地上出入口まで行かねばならず,広場直結ではないので,ちょっと面倒である。天安門広場に入ると,ベンチがあるわけでもなく,本当にだだっ広い広場だ。唯一あるのは,国旗掲揚台と人民英雄祈念碑だけで,南側のほとんどは毛主席紀念堂が占める。戦前は,ここは緑の多い公園のような場所で,広場ではなかったが,中国建国後にこのような広場に変わった。戦前,戦後を通じて歴史の舞台となった場所で,戦前は1919年の五四運動(排日活動),戦後は文化大革命や1989年の天安門事件などがあった。 |
↓道路を挟んで北側にある天安門

せっかく広場にやって来ても,集まって何かをするようなことは認められていないため,ただ歩くしかない。見る対象物は,広場ではなく,結局はまわりを取り囲む建物となる。広場が広いので,建物までも距離がある。西側には日本の国会議事堂に当たる人民大会堂がある。重要な会議がない限り,一部だが見学もできる。館内には1万人収容できる会議場など数多くの部屋があり,床総面積は17万平方mにも及ぶ(日比谷公園よりやや大きいくらい)。毎年3月には全国人民代表大会がここで開かれる。日本のテレビニュースでもその様子は放送されるが,あまりにも出席者が多すぎて,物事がどう決まっていくか見当もつかない。南北に長いので,南か北から入って,反対方向に向かって縦断するのがノーマルなコースだが,どんよりと曇り,スモッグに包まれた何もない公園をただ歩くというのも辛いものだ。一度行けば十分という場所なので,何もないとはいえ,楽しむ努力をしなければならないだろう。しかし,何をして楽しむというのか,考えても答えが出ない場所だ。 |
↓広場の東側にある,所蔵文物40万点の中国国家博物館

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