北京でマンゴーを食らう~北京5
▼マンゴーといえば熱帯フルーツで,ここ2~3年急に日本でもスイーツなどに使われることが増え,身近なものになってきた。しかし,そのほとんどはフィリピンやメキシコなどから輸入されるペリカンマンゴーなどである。これは実が小さく,甘味はまあまあだが,苦味が若干あるのでむしろドライフルーツなどに加工されることが多い。つまりあまりスイーツには向かないというわけだが,業者はフィリピンなどから安いマンゴーが大量に仕入れられることをいいことに,さかんにマンゴーをPRしているが,その実態は質のあまり高くないペリカンマンゴーである。それに比べるとアップルマンゴーは,甘さも味もペリカンマンゴーのはるか上をいくもので,日本でもスーパーに置かれるようになったが,けっして安くはない。スイーツにはもってこいのマンゴーだが,これを使ってしまっては,相当高い値段で売らないと儲からないので,日本ではスイーツ化はほとんど無理である。 |
熱帯に行くと,アップルマンゴーなど日本では高級品扱いのマンゴーが安価で売られているので,スイーツにもアップルマンゴーを惜しみなく使う。だから,熱帯で食べるマンゴーのスイーツは概して旨いのだ。日本のコンビニで売っているようなマンゴーものはけっして偽物ではないが,最低レベルのものを食わされていると思った方がよい。マンゴーを食うなら,絶対にタイや台湾,ベトナム,香港など熱帯か亜熱帯地域である。台湾では,両者とも存在するが,たとえペリカン系のマンゴーとて実が大きく結構甘い。フィリピンのような欧米の資本による大量生産ではけっして美味しいものは味わえない。バナナとて日本に入ってくる8割はフィリピン産だが,ドールなど巨大資本の農園で作ったバナナなので,質はいいが味はいまいちである。それに比べれば台湾産は質はいまいちかもしれないが,甘さは保証つきである。台湾産というと長さの短いものがよく店先に並べられているが,普通の大きさのバナナもある。しかし,大量生産ではないので,値段が高く,フィリピン産には負けてしまうので,日本にはほとんど入ってこない。フィリピンが悪いわけではないが,質が悪く甘くないマンゴー,値段こそ安いが甘くないバナナを食わされている日本人はたいへん不幸である。 |
北京の前門大街にマンゴースイーツを主とした甘味処があったので,早速入ってみた。前門大街は最近再開発された街なので,何もかもが真新しい。訪れたのは旅行15日目。疲れて頭も身体もぐったりしていたので,甘いものを欲していたところだった。まさにタイムリーな店だと思い,迷わずIN。入口を入ったカウンターで注文し,2Fあるいは3Fで食べるというセルフサービス形式だった。容器に盛られていたマンゴーは,残念ながらアップルマンゴーではなかったが,量も多く,そこそこ満足できる味だった。これを日本で食べると,1000円近くはするだろうが,こちらでは25元なので懐にはまったく影響しない値段だ。そうはいっても,麺3~5杯分の値段だから,現地の人がちょっとデートで入るにはずいぶん高い値段だと思う。2階には客はいなかったが,途中で1組入ってきた。せっかくだから窓際をキープした。窓からは前門大街のメインストリートとその中央に電車の軌道が見え,遠くの高層ビルさえ見えなければ清の時代にタイムスリップしたような錯覚を覚える。あちこちでマンゴーを食らっているが,マンゴー食べるなら,やはり台湾の夜市が味・量ともにいちばん!というのが私の見解である。マンゴーは5~8月のフルーツなので,暑い時に食べるのが旬であり,そもそも暑い気候が食べるにも合っている。北京の夏も暑いが,さらっとした暑さなので,少し湿度のある台湾が美味しく食べるには打ってつけであろう。さらに東京の夏は総合的には台湾の夏より暑いと思うが,マンゴーかき氷が食べられる店が皆無状態だ。夏場は熱帯の東京なのに,安く気軽に食べられる冷たい甘味がろくにないことを考えると,やはり東京に住む人間は不幸だと思う。【2011/1/15(土) 午前 11:43】 |
↓店のカウンター

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