トラムでGO!(前編)~香港7
▼トラムという乗り物は日本でいう路面電車であるが,香港は世界で唯一それが2階建て(ダブルデッカー)になっている(イギリスの一部に2階建てトラムがあるらしいので,世界唯一とはいい難いが,実質は世界唯一)。車両数は全部で160両ほどあるそうで(他に観光用の屋根なし車輌が2つある),最も古い車輌は100年も前のものらしい。日本ではこれほど古いと安全面でどうだこうだとやかましいが,乗り心地は二の次にすると軌道を走っているので,制動装置(ブレーキ)さえ正常に作動すればとくに問題はない。さて,せっかくの2階建て車両なので,2階のいちばん前の席からの眺めはさぞかし素晴らしいだろうと思い,早速挑戦してみた。その席が空いていなければそれまでだが,意外と空いていることが多い。それは景色はいいが,降りるのに煩わしいからだろう。そのためかこの席に座るのは観光客が多い。【2010/8/28(土) 午後 0:27】 |
↓香港名物の2階建てトラム

香港島の北部を東西に走るトラムは2~3分に一本の割合で次から次にやってくるので,ほとんど待つことがない(東西の端を除き)。東端と西端では系統がいくつかに分かれるので,前のトラムを追い抜くことはあるが,東西を結ぶ上環(ションワン)と湾仔(ワンチャイ)の間は全ての路線が集中するので,数本のトラムが数珠つなぎになってしまうこともしばしばである(追いついても追い抜くことはできない)。前を走っているトラムに追いついてしまうと,そのトラムの2階のいちばん後ろに乗っている人と視線が合ってしまうのは困りものだ(いちばん後ろの席は,座席が後ろを向いている)。しかし,2階のいちばん前の座席はとにかく景観が抜群だ。遮るものがなく,そして目線が高いので,遠くまで見通せるし,左右に交差する道路上を行きかう車,道路を横断する人,高層の街並みが一度に見渡せ,まさに絶景である。また,トラムはすべて,今では日本のバスや電車でも当たり前の,ラッピング車輌になっていて,広告を見るだけでも充分楽しめる。以前は家庭用品や食料品の広告が多かったのだが,今は不動産の広告が増えているということだ。それでも,アイスクリーム,旧盆に食べる月餅,日本でもお馴染みの日清食品(こちらではインスタントラーメンで最も有名)など夏にふさわしい広告もたくさんあった。2階建ての車両の側面全面が大きなラッピング広告なので,近くはもちろん,遠くから見ても迫力があり,宣伝効果は抜群である。運行時間は午前6時から深夜1時までで,香港島の北部観光にはうってつけの乗り物である。この辺りを地下鉄に乗っては芸がない。地下鉄は海側,トラムはその南側を走るので,どちらも香港島北部を東西に走るといっても経路は微妙に異なる。 |
↓いろいろなラッピング広告

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