漢方茶のドリンクスタンド~広州4
▼「涼茶」といって,中国では漢方を煎じて飲むお茶が店頭販売されている。いわばドリンクスタンドだ。これは中華圏すべてに共通していることで,華人の多い,マレーシアやシンガポールに行っても漢方を使ったお茶がもてはやされている。 |
店先のカウンターにお茶の種類の張り紙がしてあり,症状によって,飲むお茶の種類も異なる。お茶は仕込みされていて,ヤカンからそのままコップに注がれ,客はそこで一気飲みして立ち去る。テイクアウトでもいいのだが,臭いのある漢方を手にして何かをするわけにもいかない。漢方が入っているのでけっして美味しいものではないが,ハーブのような快さがあり,喉越しはよく,飲んだ後はすっきりする。「涼茶」と呼んでいるのだから,当然だが,体調が悪ければ試してみたいドリンクだ。中国本土には街角にわりとあるが(台湾では市場や夜市が中心なので,都心部では探さなければ見つからない),さすがに最近の中国の若者は涼を求め,このようなお茶を飲むことはない。欧米の食文化もかなり浸透してきて,アイスクリーム類や冷たいフルーツデザートなどをテイクアウトして食べるのが若者の流行である。 |
ちょうどストリートで見かけたお茶スタンドにはヤカンが5つほど並び,お茶の名前が書かれている。とくに目を引いたのは,左端の特効感冒茶だ。亜熱帯地域で真夏に風邪を引く人がいるのかと思うのだが,字のごとく1杯飲めばたちどころに治ってしまいそうなネーミングが気に入った。日本にも冬場にあってほしいお茶だ。ただし,店先で飲むか,歩きながら飲まなければならないのは落ち着かない。お茶をゆっくり飲む習慣のある中国で一気飲みでは,本来の中国ではないが,街頭では仕方がないだろう。ゆっくり味わいたければ店に入って,普通の茶葉を使ったお茶を味わうしかないのだが,この辺りでそんなお茶を飲めるような店は見かけなかった。しかし中国のお茶文化は奥が深く日本の比ではないはずだ。【2008/2/11(月) 午後 3:33】 |
↓「涼茶」スタンド

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