台湾東部紀行7~宜蘭設治紀念館・前編~宜蘭7
▼宜蘭設治紀念館は木造平屋の建物だった。元は台湾統治時代の宜蘭庁長官官舎で,屋内に入ると台湾にいることを忘れるほど,完全な日本家屋である。屋内を見学するには,日本家屋なら当然だが靴を脱がなければならない。普通なら玄関で脱ぐはずなのに,ここでは建物の保護のためか,玄関に入る前で脱ぐことになっている(足の裏[あるいは靴下]が汚れるのを覚悟しなければならない)。玄関を入ると「簡報室」なる部屋がある。「簡報」は中国語で,訳すと「プレゼンテーション」になるので,役人が庁長官に資料を基に報告する部屋と言うことになるだろう。部屋の壁には,「抗日集団分布図」が貼ってあり,常に抗日集団の動きを見張っていたことがわかる。宜蘭にも抗日集団がいたことを示しているが,それにしても何ともアバウトな地図だ。【2022/10/28(金) 午前 5:00】 |
↓宜蘭設治紀念館の門

客間や居住のための部屋はもちろん畳だ。台湾に畳屋がいるとは思えないので,畳が破れたらどうするのだろう,と変に心配してしまう。欄間もあり,風通しは良さそうだが,隣の部屋の声も筒抜けだ。窓は防犯上及びプライバシーからすりガラスになっている。当時の写真が飾ってあった。1897年から宜蘭庁長官を4年半務めた西郷菊次郎だ。彼は西郷隆盛の長男で,その後京都市長も務めた人物だ。現在新型コロナウィルスの研究や感染者の世界集計方法などで名高いアメリカのジョンズ・ホプキンス大学政治学科に留学した(1887年~1889年)こともあるとは驚きだ。 |
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