ヘルシンキの地下鉄はデザインセンス満点~ヘルシンキ21
▼ヘルシンキには地下鉄がたった一路線しかない。さらに北緯60度のヘルシンキにあるので,世界一北を走る地下鉄でもある。北の国ほど冬季は雪が交通の邪魔をするので,都市交通として地下鉄は好ましいのだが,ヘルシンキはそれほど雪が積もるところではないことと,昔からトラムという便利な交通機関があったので,必要性があまり高くなかったことによって,地下鉄の建設が遅れたのだろう。しかし,さすがにヘルシンキの住宅地が郊外にどんどん広がり,通勤・通学の足の確保から,ようやく一路線建設となったわけだ。西は市内中心部からあまり離れていない場所で切れてしまっているが,東へは何回か延伸されて,ヘルシンキ中央駅と接するラウタティエントリ駅から8駅目のイタケスクス駅からは枝分かれし,2方向に向かう。それでも全線で17駅しかなく,トラムに比べればこじんまりした感じだ。ヘルシンキ郊外,それも東側に住む人の通勤や通学に使われるだけが主な用途なので,観光に使われることはまずない。途中駅に「マリメッコ・ファクトリー&アウトレット」があるので,観光客とてまったく使わない路線でもなくなってきた。【2016/11/19(土) 午後 8:08】 |
↓ヘルシンキ中央駅隣接の地下鉄入口

ヘルシンキ地下鉄でも車内で自転車を見かける。ヨーロッパでは当たり前の風景だ。車両の中は,ボックスシートになっていて,日本の地下鉄と比べてもゆったり感がある。東京には大江戸線という車両内の狭い貧相な地下鉄が走っている。小人が乗るのかと外人からは言われ,日本人であっても,あの圧迫感はたいへん気になるところだ。当初,建設には金がかかるので,トンネルの直径を一回り小さくして作ろうということになり,車両も一回り小さくしてしまった経緯があるが,当初6000億円と見積もった建設費が,完成してみれば1兆1000億円もかかったということを都民はほとんど知らない。建設を始めたもの勝ちという行政のずるがしこさの構図をまざまざと見せ付ける例だ。 |
↓日本とは違い右手から入線

ヘルシンキの地下鉄はヨーロッパでは珍しく,自動開閉だ(路線網が多く,乗降客の多いパリなどは自分で開けなければならない)。乗っている感覚は日本の地下鉄と変わらないが,都心から3駅も乗れば地上に出て,景色は森と湖になる。民家はちらほら見えるが,都心から10分ほどでこのような景色になるのは,日本の地下鉄が走っているどの都市でも考えられないことだ。それだけ日本が過密で郊外にまで市街地がえんえんと続いていることを物語っている。だから,郊外に行くにもたいして時間がかからない。車を使っても渋滞がないので,すぐに郊外に行き着く。移動時間が短いということはストレスフリーで人間にとってはたいへん好ましいことだ。この違いだけでも,日本人とフィンランド人のストレスの度合いの差はきわめて大きい。 |
↓ヘルシンキの中心から3~4駅で窓の外には湖が

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