「キアズマ」って現代美術館?~ヘルシンキ11
▼ヘルシンキ中央郵便局の北西側に位置するのが,国立現代美術館『キアズマ』だ。『キアズマ』はギリシャ語で「交差」などを意味する「chiasm」が語源だ。確かに中に入ると直線と曲線が交差したデザインが多く,ぴったりのネーミングだと思う。さすがにネーミングといいデザインといい,光るものがある国の美術館だ。1960年代以降のフィンランドと北欧(ロシアを含む)の作品が展示されている。1998年に完成したわりには玄関のドアはいかにも古めかしく,ガラス入りの木戸だ。ガラスのひとつの全面に「KIASMA」とピンク色の文字が書かれている。ドアを押して中に入ると,1階は左側がミュージアムショップ,中央が受付,右側(地下)がトイレである。受付でヘルシンキ・カードを見せれば無料となる。エントランスは1階から5階までが吹き抜けになっているため,開放感がある。それは階段が緩やかなスロープになっていることも影響している。【2016/9/23(金) 午後 10:07】 |
↓「キアズマ」正面

スロープを2階に上ったところで窓の外を見ると,フィンランドの国会議事堂のどっしりした建物が道路を隔てた向こうに見える。カルヴォラ産の御影石で作られた外壁は,コリント様式の柱を特徴としている。火曜と金曜は審議を傍聴できるそうだ。旅行者が傍聴などすることはないが,外国の国会を見るなどという機会は他の国ではまずないだろう。ヘルシンキ中央駅から300mくらいしか離れていない場所に国会があるため,日本のように黒塗りの車ではなく,地方から電車で来る国会議員もいるのでは?それほど身近に感じる国会だ。国会議事堂とキアズマの間の眼下には,半円形のスケートボード場が見える。現代美術館のすぐそばにあるので,これもオブジェかと思ってしまう。『キアズマ』は現代美術品を展示しているため,抽象的な理解し難い美術品も多く,面積のわりに展示されている品数は少ない。常設展示はなく,常に企画展だけをやっているようだ。だから,時々来ても展示品が変わっていて,いつも新鮮な目で見ることができる。写真撮影は許可されているようだが,カメラを肩にかけることは駄目なようで(人とカメラがぶつかる危険性があるため),手で持つように指導される。大きめの荷物はもともと入口付近のロッカーなどに預かってもらうのはエチケットだが,外国の博物館・美術館はきまりがまちまちで,その案内も表立ってしていないので,あわよくば写真を撮ってやろうと思っている人間にとっては何かと不自由する。1階のミュージアムショップは北欧の博物館・美術館ではきわめて品揃えが充実しているといえる。当然フィンランドの先進的なデザイン性のあるのグッズが多く,見ているだけでも楽しい。ただし,北欧価格+ミュージアムショップ価格という特異的な価格から,どの商品もたいへん値が張るといってよい。郵便博物館に行った折には『キアズマ』にも寄りたい(逆もあり)。お互い隣同士なので,ヘルシンキ・カードがあれば2つとも無料なので,短い時間でかなり得した気分になれる。 |
↓フィンランドの国会議事堂

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