フィンランド鉄道の旅2~フィンランド4
▼ヨーロッパの鉄道ではみなそうだが,フィンランド鉄道にも特急,急行,各駅停車などといった分け方は存在しない。都市間移動列車かローカル列車(都市と郊外を結ぶ区間運転)のどちらかだ。前者は停まる駅が少なく,スピードも速いが,走る距離は長い。いわば特急あるいは急行扱いである。後者はいわゆる各駅停車で,走る距離は短いことが多い。トゥルク・ヘルシンキ間は前者に相当し,ほぼ1時間おきに列車が出発する。日本でいうJRのL特急のようなものだ(しかし日本以外に特急という区分はない)。ヘルシンキ鉄道には車両の種類が概ね2種類しかない。前述の2つの分け方に対応する車両だ。前者つまり都市間移動は2階建ても多く,車内に行くのに外ドアと内ドアの2つがあり,外気が侵入するのを防いでいる。座席はリクライニングシートで快適だ。後者つまりローカル列車はロングシートではないものの,簡素化された車両でできるだけたくさんの人が乗れるようになっている。ベンチシートなので,車幅は広いのに,イスの占める面積が多いので,狭い感じがするが,朝夕の通勤時でも立っている人は少ないようだ。車両の色はどちらも赤と白のツートンカラーで,これがフィンランド鉄道のシンボルカラーである。そういえばノルウェーでもスイスでも赤と白を使っているので,ヨーロッパではメジャーなツートンカラーといえる。待合所からホームに出るとそこは5番線である。トゥルク駅には4~7番線があるが,1~3番線は存在しない。トゥルク・ヘルシンキ間の優等列車が5番線を使い,ローカル列車は6~7番線,4番線は使われていない。【2016/9/23(金) 午後 10:00】 |
↓牽引は電気機関車

午前11時まで1時間ほど時間があるので,待合所で休憩となった。入口を入ってすぐの場所を待合所といってもよいのか,大きなベンチが2つ置いてあるだけである。待合所を囲むように,Rキヨスク,カフェ(コーヒースタンド),そしてキップ売り場がある。電光掲示板を見ると,午前11時発の列車はIC(インターシティ)134号となっていて,午前10時よりも格は上である。上というのは車両が2階建てになる。2階がビジネス席(日本でいうJRのグリーン席),1階が普通席(日本でいう普通席)で,もちろん料金が異なる。ビジネス席の方がもちろん高いが,日本のグリーン席と普通席ほどの料金の差はない。行き先表示は「Helsinki Helsingfors」となっている。前者がフィンランド語,後者がスウェーデン語である。トゥルクを含むフィンランド西部はスウェーデンの影響を色濃く受けているので,どこでも必ず2ヶ国語表示だ。ヘルシンキ行以外には,フィンランド第2の都市タンペレ行もある。この2都市以外の都市間移動列車以外はローカル列車しかない。ローカル列車の発車間隔は2時間に1本くらいのようなので日本のローカル線と似たような状況だ。その分,フィンランドではバスの便が日本よりもすこぶるよく,ローカルバスがくまなく頻繁に走っているのは救いだ。Rキヨスクはこの界隈では一番店だろう。駅周辺には他に店がないのだから,新聞や雑誌,菓子,ドリンクなどを買いに来る地元住民もいるのでは,というほど混んでいる。一方,カフェは人影が見られず開店休業状態である。待合所の片隅には,証明写真を撮るボックスが置かれていた。大きさといい雰囲気といい日本とまったく同じである。午前10時40分にヘルシンキ行の列車が入線してきた。トゥルク駅が始発なので,誰も乗っていない車両がホームに入ってきた。1日2~3本,ここからひとつ西にあるトゥルク港駅始発のヘルシンキ行がある。というのもトゥルク港はストックホルムとの間にシリヤラインの国際フェリーが運行されているからだ。午前11時発はとりあえずトゥルク始発で4両編成・オール2階建てだ。電車車両はなく,先頭の電気機関車が車両を牽引するという欧米の典型的な列車編成だ。フィンランド鉄道は,ほとんどがこのような運転方式をとっている。 |
↓待合所にはベンチがあるだけ

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