ヘルシンキのランドマーク『カフェ・アアルト』とアカデミア書店~ヘルシンキ9
▼中央が大きな吹き抜けになっているアカデミア書店(アカテーミネン・キルヤカウッパ)の2階の奥にあるのが『カフェ・アアルト』だ。フィンランド・デザインの巨匠アルヴァ・アアルトが設計したのでこう命名されている。彼は,フィンランドデザインの父と呼ばれ,フィンランド国内にある建造物から雑貨までありとあらゆる物をデザインし,フィンランドをデザイン大国に育て上げたといっても過言ではない。『カフェ・アアルト』は一軒家のように独立した店舗ではなく,アカデミア書店の片隅に同居している。書店の売り場との間に壁はなく,一見カフェ・コーナーといった方がふさわしい。アカデミア書店の2階北側のもっとも奥にある配置で,店から数mの場所には本が置かれている。コーナーとはいえ,座席数は50ほどある。丸いテーブルは大理石でできていて,イスは皆革張りだ。ペンダントライトがとてもお洒落である。壁にはフィンランドの風景写真が飾られている。コーヒーは2.9ユーロから。実は,この店で使われている白いカップや白いケーキ皿などは購入ができるので,気に入れば自分への土産にいいかもしれない。【2016/9/22(木) 午前 9:31】 |
↓こじんまりした『カフェ・アアルト』

日本映画『かもめ食堂』で小林聡美扮するサチエが,片桐はいり扮するミドリと出会って,「ガッチャマン」の歌を歌うのがここだ。本でもゆったりと読みふけりたいカフェだが,いつ行っても混んでいる印象だ。ところでアカデミア書店は,ストックマン百貨店の道を挟んで東隣のビルの地下1階~地上3階の,ヘルシンキでは最も大きな書店だ(地下1階でストックマン百貨店の地下とつながっている)。地下は文房具・ファンシー商品売場なので,書籍は地上1階~3階だ。エスカレーターはかなり年季が入っていて,乗るとミシミシ音がする。高い棚がなく,本棚と本棚の間でも圧迫感はないので,開放感があり落ち着いて本を選べる。デザイナーのアアルトが設計したので,天井,床,ドア,壁などいたるところでアアルトのデザインが光る。屋外とのドアは未だに手動のバネドアである。大理石を使った内装なので,落ち着いた中に豪華さもある。理工学書やアート系が充実しているのは,文芸書やビジネス書の多い日本の本屋とは明らかに異なる。これは強いては子どもの学力や国力に関わっているのだと思われる。とくに北欧では夏~秋に旬を迎えるキノコの図鑑などは,何種類もあり,日本以上に充実している。キノコの図鑑が平積みで何種類もあるというのは,日本では東京の大型書店でもなかなかあり得ないことだ。フィンランドの人々はかなりキノコやベリーには詳しいだろう。とはいいながら,日本の漫画・コミックコーナーも本棚一列分あり,フィンランド語に翻訳された「コナン」や「NANA」などが堂々と並んでいるが,人影はいない。北欧では漫画を読むのは子どもだけのようだ。いい大人が電車で堂々と漫画を読む国は世界中でガラパゴス日本だけのようだ。デザイン関係の書籍には日本で印刷・発行された日本の写真集などもある。海外のデザインや景観から学ぶことも多いのだろう。 |
↓アカデミア書店のフロアーに上がる年季の入ったエスカレーター

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