トゥルクで中華~トゥルク4
▼ヨーロッパに行くと主食はパンという毎日が続く。パンはけっして嫌いではないし,ヨーロッパはパンが美味しいので好ましい。例えば,マルタのパンは外が固くて,中はモチモチというソフトフランスパンのような感じの味わいのあるパンで,個人的には大好きだ。しかし,朝昼晩パン食で,さらにそれが数日続くとさすがに飽きてくる。朝食をシリアルにしたり,フルーツだけにしたり,いろいろ工夫するのだが,基本食がパンというのはなんとも我慢できなくなる。かといって必ずしも白米でなくともよい,というのは日本人を否定しているようなものだが,結局アジアンフーズなら我慢できる範囲だということになる。将来,アジアロングステイや永住を考えた場合には,食に関してはすでにアジアに同化しているのは強みである。この場合のアジアに日本は含まない。日本をアジアと思ってもらっては困る。太平洋に浮かぶ島国の孤立国家(別称北ガラパゴス群島)に過ぎないことを日本人はよく認識すべきである。日常生活があまりにもアジアとは異なることは,アジア各地(少なくとも10ヶ国・地域以上)に行った人にだけわかることである。アジア各地の麺は日本の麺と明らかに違うし,アジア各地では日本のように生ものは原則食べない(熱を加えるのが基本)。さらにニンニクを常日頃から摂り,漢方やハーブを積極的に食材に使う。このことも日本とは明らかに違う。食生活においてさえ,アジア各地(朝鮮半島,中国,東南アジア全域)と日本では,米食というのが似ているだけで,あとはことごとく異なる食体系なので,日本をアジアに含めること自体おかしいのである。日本をアジアに含めているのは,歴史的経緯と地理的な位置だけに過ぎず,現在に即すると,すでにアジアではない。かといって欧米などではないので,太平洋に浮かぶ孤立列島というのが,適しているだろう。【2016/9/21(水) 午後 10:03】 |
午前4時30分にノルウェー,オスロのホテルを出発し,スウェーデンのアーランダ空港を経由し,フィンランド,トゥルクのホテルに着いたのが午後4時30分である。確かにスウェーデンをまたいで,越境したとはいえ,時間がかかり過ぎである。北欧間,とくにトゥルクのような小さな空港だと便数が少なく,今回搭乗できるのはスターアライアンス系に限られるので,乗り継ぎが極端に悪く,飛行機に乗っている時間は2便で合計2時間かかっていないのに,移動と待ち時間を合わせると半日つぶれてしまった(実質はほぼ一日つぶれてしまったことになる)。ランチはスウェーデンのアーランダ空港で済ませたものの,夕方にトゥルクの街歩きに出かけるとさすがに腹がすいてきた。アウラ川が目の前というところに北欧風一戸建てのしゃれた建物が建っている。個人宅にしては少し大きいし,入口の前に立て看板と,その横にはテラス席があり,レストランということがわかった。「また,パンか...」と落胆しながら,看板の前に近寄ると,なんと中華ではないか(正確には中国料理&タイ料理)。北欧ではけっして珍しくない中華料理だが,建物の外観からではわからないほど,この地に適合している。店に入ると朱赤の色調の柱や壁があり,にわかにアジアっぽいという雰囲気が漂ってきた。ご飯がなくとも中華系なら,パンより格段ましだ,と思い席に着いた。窓から通りが見える席である。外を歩いている人は,看板を見ない限り,窓際の人が中国料理を食べているとは思ってもみないだろう。ウェイトレスはチャイナドレスを着たフィンランド人である。チャイナドレスとブロンズはけっして合わない取り合わせではない。むしろ日本の和服とブロンズほど似合わないものはないと思う。さて,北欧にしては値段は概して安めだ。日本よりむしろ安いかもしれない。北欧では一般に中国料理は安いといわれ,下手な日本料理の店に入るよりは味もよく,値段もリーズナブルだといわれている。外国で食べる日本料理ほどまずいものはない。そのため,海外での日本料理はやめている(2001年のタイが最後である)。金をドブに捨てるようなものだからだ。メニューは懐かしの(といってもバーミヤンで食べて2週間は経っていない。)中国料理のオンパレードで,思わずチャーハンを注文してしまった。白米ではないが,米の食感が少しでも味わえればという思いである。客の入りは,というと,入店した時は他に2人だったが,食事中に次々と入ってきて,出る時には,十数人いたような気がするので,そこそこ人気はあるようだ。街の中心部に近い住宅地にポツンとあるので味はどうかと心配したが,そうでもないようだ。ヨーロッパで食事に迷ったら中華もいいものである。これでパン食はあと5日続いても我慢できそうだ。ちょうどフィンランドを出る日が5日後である。といってその後真っ直ぐに日本に帰れるわけではないのだが。 |
↓外観からアジア系の飲食店とはわからない

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