ベルゲン鉄道の車窓から1~ノルウェー4
▼ベルゲン10時28分発オスロ行きの列車に乗った。ヨーロッパの列車の旅は実に快適だ。車両デザインに凝り過ぎ,無機質で冷たい感じのする日本の鉄道車両と比べて,洗練された内装やフレンドリーな乗務員など,どれをとっても日本の鉄道を上回るだろう。また,年末年始やお盆のような民族大移動もないので,年間を通して乗客数は平均化していて,夏の一時期を除くと,車内の混雑もとくにないといえる。立ち席などなく,着席が原則である。ノルウェー国鉄(NSB)は,幹線にシグニチュールという振子式の電車を投入しているが,基本は電気機関車が牽引する客車列車だ。しかし,内装は日本の特急以上で,電車車両と比べて遜色はないし,思ったよりも揺れはない。電気機関車は線路さえよければ時速200kmを出せる,スイス製の高馬力のものを使っている。ただし,ベルゲン・オスロ間481km(東京・京都間くらいの距離)は山地越えをするため約7時間もかかるので,時速にすると約70kmということになる。せっかくのスピードも生かせないでいる。それでも建設段階で,ベルゲン・オスロ間はトンネルを151も作り(トンネルの総延長86km),できるだけ直線で走れるような努力をしたので,7時間でも早いのかもしれない。トンネルを作らずにループ線など迂回が多くなると,走行距離が長くなるだけでなく,カーブが増え,スピードが出せなくなるので,さらに時間がかかっていたことだろう。【2016/9/21(水) 午後 9:51】 |
↓ベルゲン駅

ベルゲン駅に午前10時前に着くと,フィヨルド観光に出発する人や遠くオスロまで行く人で,構内のベンチはいっぱいだった。といっても100人はいるかいないかだが。午前10時,2番線に赤い車体のオスロ行の車両が後ろ向きに入ってきた。ベルゲンは終着駅なので,どの番線も駅舎に向かって行き止まりである。ノルウェーでは,特急や急行という呼び方はせず,近距離列車と遠距離列車に分けているだけだ。ベルゲン・オスロ間のように400km以上もあれば,各駅停車ではありえず,遠距離の優等列車扱いになる。車両は赤いので従来型の客車車両である。この一本前の午前8時台に出るオスロ行きはシグニチュールという振り子電車である。入線してきても,待合の広場とホームとの間には鎖が張ってあって,ホームへの入場はしばし待たされる。まもなく乗務員が先にホームに入って行って乗り込んだ。午前10時10分,ホーム上の鎖が取り払われ,ホームへの入場が始まった。 |
↓4つのホームを持つベルゲン駅

- 関連記事
-
-
ベルゲン鉄道の車窓から5~ノルウェー8 2016/09/21
-
ベルゲン鉄道の車窓から4~ノルウェー7 2016/09/21
-
ベルゲン鉄道の車窓から3~ノルウェー6 2016/09/21
-
ベルゲン鉄道の車窓から2~ノルウェー5 2016/09/21
-
ベルゲン鉄道の車窓から1~ノルウェー4 2016/09/21
-
北欧のホテルの朝食~ノルウェー3 2016/09/21
-
夏の時間を最大限に生かす北欧の人々~ノルウェー2 2016/09/19
-
ノルウェーのあらまし~ノルウェー1 2016/09/19
-
Last Modified :