ソグネフィヨルドクルーズ1~ソグネフィヨルド9
▼ソグネフィヨルドはノルウェー西海岸から内陸の奥まで約204kmある。最も深い場所で水深1300mもあるということだ。フロムからのフィヨルドクルーズでは,前半アウルランフィヨルドを北上していく。このアウルランフィヨルドは,ソグネフィヨルドの支流で,フロムから支流の入口ベイテレンまで約20kmの長さがある。本流のソグネフィヨルドよりは格段に浅いようだ。船がゆっくりと船着場を離れていく。フレットハイムホテルの東側の広場には観光で訪れたたくさんの人々が散策を楽しんでいる。大型バスが何台か停まっているのは,ツアーで来てフレットハイムホテルあたりで昼食をとっているのだろう。フロムを海上から見ると,急勾配の山がすぐ岸辺まで迫り,岸辺の狭い平地にホテルや土産屋,フロム駅などが集落を作っている。フィヨルドらしさが海上に出てようやくわかるのだ。船の後方の席では,風向きにもよるが,船の煙(ディーゼルエンジンなので煙が出る)がしばし邪魔になって被写体としては適さないときがあるが,その時は場所を移動すればよい。座席は埋まっていても,立って見るのであれば,全方向どこでも可能である。外海ではないので,波はなく,船の揺れはないので立っていても安心だ。フロムの船着場に停泊していた大型クルーズ船の横を通り過ぎていく。この大きさの船になると,地中海などをクルーズするにふさわしいが,ソグネフィヨルドの奥まで入ってくると,海の大きさに比べて船の大きさが圧倒している。【2016/9/19(月) 午後 6:48】 |
↓フロムの村の船着場から離れる

すれ違った船はイタリア船籍(ジェノヴァ)の「COSTA ATLANTICA号」という船だった。11階建てで,何日も過ごせるだけの室内設備を持ち合わせているようだ。フロムに停泊し,乗客は日中フロム鉄道に乗ったり,この周辺を散策したりして,宿泊時にこの船に戻るという仕組みだろう。日本でも「飛鳥」なる船が主に日本近海をクルーズしているが,日本ではまだ船旅はメジャー化していない。日本とヨーロッパの旅の違いはこんなところにもあるのだ。実は「COSTA ATLANTICA号」のクルーズを組み入れたツアーを阪神航空が募集していて,その旅行パンフレットを偶然見ていたので,この船の情報がわかったわけだ。その行程によれば,この船は就航年:2000年,総トン数:86,000トン,全長:292m,全幅:32.2m,乗客数:2,680人で,シアター,カジノ,ディスコ,図書館,フィットネス,スパ,エステ,プール,スポーツコート,テニスコートなどの娯楽施設を備えていることになっている。8月2日にコペンハーゲンを出航して,北海,ノルウェー海,ソグネフィヨルドクルージングをして,4日の午前中にフロムに入港する予定になっている。つまりフロムが初めての寄港地で,4日の夜に,次の寄港地ヘルシルトに向かって出航する。今回のわが家のソグネフィヨルドクルーズは折りしも8月4日になり,1ヶ月に1度,「COSTA ATLANTICA号」がフロムに寄港する日とぶつかり,この船を偶然にも見られることになったのである。きっとこの船には阪神航空のツアーで参加している日本人も乗っているのだろう。ちなみに,7泊8日のクルージング中,夕食時のドレスコードが2回,フォーマルというのがある。クルーズの旅は,着るものをある程度揃えなくてはならないので,やはりお金のある年配者が多くなるだろう。 |
↓日本人も乗っているであろうイタリア船籍の「COSTA ATLANTICA号」

13:20に出航したフィヨルド観光船は,だんだんフロムから離れていく。それに伴って,両岸の切り立った山が際立ってくる。見たところ,周りの山は岩山で,岩の間から低木や草木が出て,そこそこ生い茂っている。北緯60度にもなるので,高木はないが,岩山なのに意外に緑があるのには驚いた。フィヨルドだけに山がそのまま海に滑り込んでいて,船が岸に寄っても上陸できそうな平地は一切見えない。進行方向は左にカーブしていて,海に滑り込む山が横から見えるが,山の角度はざっと50度ほどだ。急なところでは60度くらいにはなるので,スキー場などから見ればとんでもない角度である。出航から9分。沖合いに停泊している別の大型クルーズ船とすれ違う。大きさはフロムのすぐそばに停泊していた船と同じくらいだ。P&O CRUISESの「ARCADIA号」だ。切り立った山からも離れ,フロムからも離れてここで何をしているのだろうか。進行方向左側(西側)に道路が見えてきて(13:30),そのはるか上に滝が見え,その滝がフィヨルドに流れ込む場所も見える。ちょうど岸辺の道路に橋がかかり,それを潜ってフィヨルドに流れ込むのだ。その先に家が数軒見えてくる。家々は平地のほとんどない岸辺にあったり,小高い場所にあったり,集落はできずに分散して建っている。海面の高さと同じくらいに家を建てているのは干満の差がないのだろうか。相変わらず,左右両岸とも緑の比較的多い岩山が続く。先ほどすれ違った船はフィヨルドの海の中央近くに停泊していたので,それを避けるために,この船は少し迂回してきたようだ。 |
↓フィヨルドの両側は切り立った山

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