フロム鉄道の車窓から(前編)~ソグネフィヨルド3
ソグネフィヨルドショースの滝もそうだが,川を流れる水のほとんどは雪解け水だ。夏でも山の頂には雪が見えることや雨の量そのものが少ないヨーロッパにあることがその理由だ。ショースの滝を少し遅れて午前11時14分に出発すると,やがて深い渓谷とその渓谷に流れ落ちる滝が目線の上に見えてくる(午前11時17分ごろ)が,滝の流れ落ちる辺りには家屋がある。家があるということは,道路も通じているのだろう。見るからに迫力のある景観だ。フロム鉄道で最も長いノーリー・トンネル(1340m)を潜り抜けさらに列車は谷底へ降りていく。このトンネルも手作業で掘ったトンネルで,1m掘るのに150時間もかかったとか。フロム鉄道には,20のトンネルがあるのだが,実はそのうち18個は手作業で掘ったものである。トンネルの総延長は6kmなので,全線の約30%がトンネルということになる。フロム渓谷で最も標高の高いコールダルの集落(コールダル駅)を通るころは,進行方向左側に素晴らしい景色が続く。【2016/9/19(月) 午後 6:32】 |
↓進行方向左側には渓谷と滝の景色が続く

雪崩の多い難所,ブロムヘレー駅を通り,午前11時25分,線路は渓谷の底を流れるフロム川にかかる橋を渡り,渓谷の下に向かって右側から左側に移動していく(この後,渓谷の下に向かって左側から右側に移動するが,その時には橋を渡らない。それは川がトンネルとなって隠れてしまった上に線路を引いたからで,フロム鉄道全体で橋は一つしかないことになる。)。橋を渡ると進行方向右側の景色がよくなるわけだ。渓谷を渡る間には中央に川が見える。このフロム川はやがて終点フロムでフィヨルドに合流するはずだ。渓谷の左側に移動すると,右側は渓谷の谷間が見える。家屋が数軒見え,奥の断崖にはまた滝が見える。橋を渡って2分ほどして列車は止まる。 |
↓渓谷の下に向かって右側から左側に移動していく(クリックで拡大)

ブレークヴァム駅で,ブレームヴァムの絶壁が壮観だ。実はフロム鉄道は単線なので,上り列車と下り列車の交換場所が必要になる。そのため,ミュールダールとフロムのほぼ中間地点に,交換場所を設けたのだ。線路が右側に一本現れ,上り列車を待つ。しばらくして上り列車が通過していった(午前11時28分)。すれ違って行った列車を窓から追うと,電気機関車が前に2台,後に1台付いている。中間の客車は6両である。少なくても観光シーズンは6両編成の固定で動いているようだ。自分の乗った列車の全景を見ることはないので,対向列車ながら,全景をカメラに収められる唯一の場所が,この交換場所だ。 |
↓上り列車と下り列車の交換場所で待っていると上り列車が近づいてきた

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