フロム鉄道でフロムへ出発~ソグネフィヨルド1
▼フロム鉄道は,北欧の標準軌鉄道(線路幅1435mm)としては最も急勾配を走る鉄道である。完成は1944年で,開通まで20年を要している。ベルゲン鉄道の分岐点ミュールダール(海抜866m)とソグネフィヨルドの奥のアウルランフィヨルドの玄関口フロム(海抜2m)の間20kmを約1時間かけて走っている(途中の停車時間を除くと45分程度)。標高差864mで20kmの距離だから,全線の平均は1000分の40の勾配(40パーミル=パーミルはパーセントの10分の1)ほどで,以前JR信越本線にあった碓井峠(群馬県横川・長野県軽井沢間)の67パーミルには及ばないので,スイスの山岳鉄道のようにアプト式線路(線路の間に歯車にかみ合わせるための線路がもう一本入る)ではない。その変わり,前だけでなく後ろにも電気機関車が付き,客車を引っ張りながら,後押しもする。客車は固定で6両付いているので,観光シーズンの夏場でもけっして座れないということはないが,自由席ゆえ,とくにミュールダール駅では席の取り合いになる。欧米人のおばさんたちも例にもれず図々しいので遠慮していると席を奪われてしまう危険性が多分にある。ここは素早さと図々しさがものをいう弱肉強食の世界である。【2016/9/19(月) 午後 6:28】 |
↓ミュールダール駅で発車を待つフロム鉄道

車窓の景色が断然いいのは,ミュールダールからフロムへ向かう場合は,どちらかというと進行方向左側である。電気機関車が前と後ろに付いているので,ミュールダール駅では進行方向がわかりにくいが,ベルゲンやオスロからの列車を降り,フロム鉄道の列車に向かって右方向に列車が進むので,列車に乗り込んで,ホーム側ではなく,谷が見える方に座ればよい。その座席は3人掛けなので,遠慮せず窓側を陣取ろう。ただし,ショースの滝は進行方向,右側に見えるので,席を確保しつつ,列車を降りて見た方がよい。5分間停車してくれる。3人掛けの窓側が取れなければ,後方車両のホーム側でもよい。ショースの滝では,前方車両はトンネルの中に停車するので,必ず降りて見学しなければならないが,後方の2両ほどは車窓からも滝が十分に楽しめる。また,途中の上り列車との連れ違いなどもあるので,進行方向右側の座席とてけっして悪い方向の座席ではない。さらに,乗降口付近は意外に穴場で,そこで立って乗っている人間もいないので,ドアの窓から左方向を楽しむという手はある。フロム鉄道に乗ってたっぷり景色を楽しもうなら頭脳プレーも必要だ。夏場は団体やグループの割合が増え,席取り合戦が続くので,うっかり陣地に入ろうものなら口撃(攻撃ではない)を受けるので注意が必要だ。男,女はこの場合関係ない。とくに自己主張が異常なほど強いドイツ人はクレームに関しては超一流なので,中国人よりタチが悪いと思った方がよい。アジア系なんかカワイイ方である。図体のでかい欧米系の方が図太さはアジア系より数倍すごい! |
↓フロム鉄道の客車内・・・3列シートが車窓の景色のよい方

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