地下鉄6線の不思議~オスロ4
▼オスロは人口約55万の中規模の都市だが,意外や意外に地下鉄は6路線も走っている。トラムも6路線だから,軌道交通は全部で12路線もあり,市内の移動にはたいへん便利な都市だと思う。人口190万の札幌でさえ地下鉄3路線(+路面電車1路線)しかないのだから(その他にJRはあるが),公共交通網はすこぶる整っているといえよう。実は,地下鉄の6路線は,ムンク美術館の最寄駅のToyenとオスロ中央駅を通り,Majorstuenまでの5駅間はすべて同じ路線を通るのだ。6路線の電車が1本の線路を使うので,1路線の電車は平均すると6本に1本しか来ないことになり,朝晩の通勤時でも電車の間隔が開いてしまう。日本の某ガイドブックにオスロの地下鉄は頻繁に走っていない様なことが書かれていたが,それはこのことが原因と思われる。重複区間の5駅間はすこぶる便利だが,その区間を出てしまうと極端に間隔が空いてしまうようだ。区間運転もなく,すべての電車が各駅停車という素直な運転をしているので,郊外の人にはそれを補完するべくバスが重要な足である。 |
さて,1号線でオスロの北東方面の郊外に行こうと地下鉄に乗車した。オスロ中央駅前に地下鉄の駅があるが,ノルウェー国鉄(NSB)と乗り継ぎができるのに駅名はJernbanetorgetと付けられている。オスロ中央駅前の観光案内所の前を通り過ぎて,北に少し歩くと地下鉄の入口がある。入口の屋根の部分に大きく「T」と書かれているのが目印だ。階段を降りていくと,すぐ左側にキヨスクがあり,新聞やドリンク,サンドイッチ,アイスクリーム,菓子などを売っている。その前を右に曲がり通路を歩いていくと切符の自動券売機があり,その先が改札だ。簡単に通り抜けできるが,刻印機で刻印する必要がある(改札機の脇にある黄色い箱)。オスロ・パスは磁気のついた券ではないことと,サイズが大きいことから,初回乗車時のみ窓口に持っていって駅の係りの人に刻印してもらわなければならない。駅のコンコースは殺風景にも見えるが,ところどころ北欧のデザインが生かされている。上り線と下り線はホームが別々にある。上り線と下り線の間にはバックライトの広告パネルが貼られていて,一定の時間がたつと次の広告に変わっていく仕組みだ。広告内容は変化に富んでいて,待ち時間に見ていて楽しい。【2016/9/19(月) 午後 6:16】 |
↓オスロ中央駅前の地下鉄入口

電車の車両は日本では路線ごとに違っていたりするが,6路線とも共通の車両を使っている。車両の幅が広いため,通路を挟んで,座席配置は3列と2列であり,ロングシートも入口横以外にはなく,ボックスシートが基本だ。午前8時ごろといえば,最も混雑する時間帯だが,ホームに入ってくる電車を見ると,立っている人は車両のドア付近に見られる程度で,ドアとドアの間の中ほどにはほとんど人が立っていない。新聞を大きく開いて読める空間が十分にある車内だ。吊革がドア付近にしかないのもそのせいだろう。車両の中ほどに作る必要がないからである。掴まり棒は曲線を描き,デザイン性には優れているが,実用性はどうだろうかと考えてしまうが,とくに混まないのであれば別になくてもいいのだろうから,デザイン重視でも構わないだろう。ギューギューに混むことがない電車で通勤できるとは北欧の人はたいへん恵まれている。やはり首都の適正規模は人口100万以下である。また,驚いたことに地下鉄に自転車が乗っているではないか?日本では禁じられているかどうか知らないが,地下鉄に自転車を載せようなどという人間は皆無だろう。混雑があまりないので,通勤時間帯でも自転車を載せることができるのだ。まさに楽々通勤天国という言葉が使える国だ。 |
↓郊外に向かう車内

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