オープンな王宮~オスロ3
▼王宮は,カール・ヨハンス通りの西の突き当り部分に広がる。入口を入ってからゆるい坂を上がるので,王宮の直前からカール・ヨハンス通り方面を見ると,人や車が遠くまで見下ろせる。大きさはヴィーゲラン公園には及ばないが,市の中心部にこれだけの緑があるのは素晴らしいことだ。面積は東京都心にある日比谷公園の2倍はあるだろう。この敷地のちょうど真ん中に王宮の建物が建っている。手前にあるのは,カール・ヨハン王の銅像だ。彼はノルウェーではなく,スウェーデン王だが,この王宮を建てた人物ということで銅像が建てられている。現在はもちろんノルウェーの国王が実際に住んでいる。実はノルウェーは1814~1905年の間,スウェーデンの支配下にあった。デンマークの支配下にあったときもあり,この像を見るとノルウェー国民は複雑な心境であろう。ここから東に延びるオスロのメインストリートさえ同じ王の名前が付されているのだから,さらに複雑かも。【2016/9/19(月) 午後 6:15】 |
↓王宮(カール・ヨハンス通りから)

ヨーロッパの他の国もそうだが,今は共和国制が多いので,どこの王宮も原則公開されていることが多い。この王宮も夏だけガイドツアーが催され,王宮内に入ることができる。ノルウェーの国王は日本の天皇と同じように,国民の象徴といった扱いで,国の儀式には参加するが,形式的なもので,内閣の承認を受けなければ何もできないことになっている。オスロの王宮は,ベルサイユ宮殿のような豪華さはなく(19世紀,資金不足のさなかに作ったこともあり),ノルウェーではどこにでもある,装飾のない単なる大型建築物に過ぎない。密集地ではない場所に建っているので,かえって特別な建物に見えるだけである。王宮への訪問者は一日中絶えることはなく,カール・ヨハンの銅像以外に何もない王宮前の広場でさえ観光客などで賑わっている。王宮の裏側は広い庭園になっていて,芝生が敷き詰められ,木が生い茂り,池もあるので,散歩にはいい場所だ。ただし,多少起伏があり,ベンチなども少ないので,日光浴にはビニールシートを持参した方がよい。夏場はあちこちでのんびりと日光浴をする,とくにカップルが多い。出入り自由の裏庭なので,王室の開放度はきわめて高い。国王はやたらに裏庭を散歩できないのでは?と心配になる。日本の皇室の閉鎖性とはまったく逆である。皇居の住居に接する庭には一般人は一切入れない。開かれた王室と閉じた皇室の差は大きい。 |
↓王宮の裏側と庭園に行く門・・・日中は開けっ放しでチェックもない

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