魚市場でエビの塩茹でを食らう(前編)~ベルゲン3
▼ベルゲンは人口約25万,ノルウェー第2の都市である。良港を持ち(暖流の北大西洋海流の影響で冬でも凍らず,フィヨルドなので,岸の近くでも十分に深い),中世にはハンザ同盟の主要都市として栄えたので,今でも交易が盛んである。フィヨルド観光の船や,沿岸急行船の出発地として,とくに夏は多くの観光客が訪れ,街はたいへん賑わっている。ベルゲンの中心地,とくに人出が多い場所というと,世界遺産ブリッゲン地区だが,一般市民にとっては,そこから少し内陸に入り,南下したトルクアルメニンゲン通り界隈が,ショップも多く,広場に面しているので,若者を中心に人が集まってくる地域である。このトルクアルメニンゲン通り界隈とブリッゲン地区のほぼ中間にあり,ベルゲン港のもっとも奥に位置する魚市場は,地元産の新鮮な魚を安く売るマーケットとして,地元住民はもとより,むしろ観光客に親しまれている。午前7時ごろからテントが設営され,午前8時にはたいがいの店は営業を始めている。魚や肉など生鮮食品を取り扱う店は早く店を始めるが,果物・野菜やその他の商品(雑貨や衣料品など)を取り扱う店は,営業開始が遅く,午前8時を過ぎても商品を並べるなど準備に追われていることが多い。早起きしてせっかく行っても,開店していない店が多くては,なんとも物足りないので,朝行くとしたら午前8時過ぎに行くのがよかろう。魚市場が店閉まいするのは,だいたい午後7時ごろである。日没が遅い夏でも,この時刻を過ぎると,どの店も片付けを始める。すぐ近くのブリッゲン地区では観光客が絶えない時間帯なのだが,午後8時前に魚市場はすべてクローズドしてしまうのである。【2016/9/19(月) 午後 5:19】 |
↓ベルゲン港の奥

この市場の目玉は何と言っても,ノルウェー近海で獲れた,新鮮な魚である。タラやサーモンはもちろんのこと,日本近海ではほとんど獲れなくなったニシンなども売られている。日本はサーモンをノルウェーから大量に輸入していることもあり,サーモンはノルウェー人の常食で,魚を扱う店ならどこでも扱っている。サーモンを挟んだオープンサンドがこの魚市場のイチ押しだ。タラは干したものがどの店にもぶらさげてある。ぶらさげてあるのは干しダラだけなので,行けばすぐにわかる。ノルウェーは中世からタラの交易がさかんで,長期保存がきくように干して輸出していた名残である。干したタラは相当やせ細るが,ぶらさげてあるものを見れば,獲った時に長さは1メートル以上はあったと想像される。干しタラは保存期間がすこぶる長く,数十年から100年はもつそうだ。そのためか,水に戻すのには3日を要し,3日後には水に入れる前の3倍の大きさになるとか。値段の方はけっして安くはない。350~500クローネくらいである。干して乾燥させた分,とても軽いのはいいが,買って運ぶとなれば,そのままではスーツケース等に入らないので,買った時にカッティングしてもらうことを忘れないようにしたい。もう一つ気になるのはタラのにおいである。けっして悪いにおいではないが,ホテルの部屋にそのまま放置すると,部屋全体が魚臭くなるので,二重三重に密閉した袋に入れておくことは避けられない。この干しタラはベルゲン地方の名物料理「バカラオ(Bacalao)」の主材料になっている。これは水に戻した干しダラをトマトで煮込む料理である。一品で注文すると200クローネくらいするので,ランチにこの料理が含まれている店を探して食べれば,半額くらいで済むだろう。量は少ないが,ボリュームの多い北欧だけに,日本人にはちょうどよい量だ。 |
↓ノルウェーサーモンは日本でもおなじみ

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