夏の時間を最大限に生かす北欧の人々~ノルウェー2
ノルウェー北欧は高緯度にあるので夏は日が長い。さらにサマータイムを実施しているので,人々はその恩恵に預かろうと,官民一体となって仕事の時短には積極的だ。北緯60度に位置するオスロは日本と時差が8時間あるが,夏は7時間になる。日の出は7月であれば,午前4時ごろだが,サマータイムを実施していなければ午前3時ごろということになる。中緯度の場所(北欧を除くヨーロッパや日本など)よりも日の出が早くなるので,北海道の日の出が東京の日の出より40~50分も早く,7月上旬では午前3時半ごろになるのと似ている。さて,サマータイム実施時で計算すると,オスロは午前4時に日が昇り,午後11時ごろ日が沈む。東京では午前4時半ごろ日が昇り,午後7時半ごろに日が沈むので,太陽が出ている時間差は約4時間だ。ところが,オスロでは夏の間,企業の始業が午前8時,終業が午後4時というのが基本だ。日が昇って4時間後に仕事を始め,終業後は日が沈むまで何と7時間もある。一方東京では,日が昇って仕事を始めるまで4時間半あるのはオスロと大して変りないが,終業後,日が沈むまではたったの2時間半しかない。始業前に時間を効率的に使えればよいが,通勤時間の長い東京近辺では実質無理である。さらに,せっかく定時に仕事が終わっても,長い通勤時間を経て家に着いてもあっという間に日の入となる。終業後の7時間を有効に使うことができるオスロでは(自然条件も加味されているが),明るいうちに休みの日にやることまでもやろうと思えばできてしまうのである。家に帰って,スポーツをするもよし,ガーデニングなども休みの日にやることはない。デートするにも明るいうちにできるので,平日であっても昼間同然に,公園や郊外で散策やピクニックができるのである。一方,冬は夜の長い生活にならざるを得ないが,その分冬の楽しみ方も心得ているのが北欧の人々だ。このように,自然条件の差はあるにせよ,時間の使い方にメリハリをつけているのが北欧の生活である。 |
日本はサマータイムも設けていないし,例え,それがないとしても国全体(国,家庭,企業など)が時間の使い方にメリハリをつけていない国である。結局,それが原因の一部だと思うが概して仕事の効率が悪く,労働生産性が極めて低いのは,さまざまなデータで証明されている。高度経済成長のころはそれでよかったのかもしれないが,低成長の21世紀になって世界で一番,時間の使い方(それは仕事であっても遊びであっても構わない)が下手な国民は日本人なのではないだろうか,とふと思うのだった(温帯に限定すれば)。【2016/9/19(月) 午後 5:05】 |
↓午後9時でもこの明るさだ(オスロ市内)

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