ノルウェーのあらまし~ノルウェー1
▼とにかく初めての北欧だ。長期の仕事がようやく一段落し,久しぶりに長い休暇が取れたので,簡単にはなかなか行くことのできない,あこがれの北欧にチャレンジすることになった。それも,年間で料金がもっとも高い,いわゆるハイシーズンの夏の旅行である。この旅行でいちばん期待したのは,それまで映像でしか見ることのなかったフィヨルドだった。それを見るために,手配にはいろいろと苦労した。 |
↓夏のソグネフィヨルド
人気の観光地にハイシーズンに訪れるときは,エアーとホテルを早めに押さえるのは鉄則だが,飛行機(エアー)の予約をしたのは何と出発の11か月前。9月に入ってまだ残暑が続いていたころである。一方,ホテルの予約は4~6か月前だったので,それほど早かったというわけでもない。しかし,夏に混雑するベルゲンのホテルは6か月前ですら,立地のよい,料金相応のところは満杯になっていた。ツアーではなく,個人旅行なので,出発から帰還までのエアー及びホテル及びその他交通機関の手配はすべて個人でしなければならず,飛行機7本,ホテル5か所,鉄道1本はネットで予約した(購入・発券も)。8月の北欧は,10日間ほどのツアーでも一人40~45万円するが,個人旅行ゆえ,それよりは安くあがったものの,とてつもなく高い旅行になってしまった。 |
ノルウェーはEU(ヨーロッパ連合)には加盟していない。そのため通貨はノルウェー・クローネで,デンマーク,スウェーデンも同様にユーロは導入されていない。北海北部の油田からの莫大な収入があるので,国家は十分に潤っているようだ。ノルウェーは南北に細長く,日本よりも若干広い国土を持つが,そのほとんどは森林だ。それも散らばりが均等なので,日本のように偏りがない。森林が豊富ということはフィトンチッドにあふれ,国土のどこでも森林浴ができるということになるだろう。確かに首都オスロの中心部から地下鉄で20~30分も行けば,辺り一面森林に覆われた地域に到達する。一方オスロでは都心でも空気は澄んでいて美味しく感じられる。東京ならば都心から1時間行っても,まだ住宅密集地だ。空気もすこぶる悪く,窒息しそうだ。ノルウェーは自然に恵まれ,緯度のわりに北大西洋海流の影響で西側の海沿いは暖かい。 |
↓森と湖の国
北欧諸国はどこもそうだが,高齢者や子どもなど弱者がさまざまな恩恵を享受できるような社会のシステムができあがっている。その分,働く世代の税金は異常に高く,その影響で物価もものすごく高いことは我慢しなければならない。食料品の付加価値税(日本の消費税に当たる)は,それ以外の商品よりは抑えられているとはいえ,値段に跳ね返り,スーパーなどの小売店の支払いでも,レストランなどでの外食費でも目玉が飛び出るほど高いことがよくある。よって,住民はその分の恩恵を受けられるが,旅行者にとっては,出費に関しては損はすれど,ほとんど得のない国である。一方,とくにノルウェーは女性の社会進出に熱心な国で,国会議員のわりあいも,会社の役員のわりあいも女性は40%以上でなければならないと法律で決めてしまうほどである。女性進出が世界的にも救いようのないほど遅れている,某日本が北欧諸国を追い越すことは永久に無理だろう。男尊女卑信仰がなくならない限り。 |
↓トマトやキュウリなど日本と似た野菜
夏は北欧見物には絶好の季節である。1日の最高気温は24~25℃,最低気温が14~16℃ほどで,日本のゴールデンウィークのような気候である。さらに空気が乾燥し,25℃くらいになっても蒸し暑さはなく,たんにちょっと暑いという感覚に過ぎない。観光客がすこぶる多いので,電車,バス,フェリーなどの交通機関は利便よく,フル回転で運転されている。日の出ている時間が長いので,時間を有効に使え,いいことづくめだが,天気だけは変えることはできず,雨が降ってもほぼ予定通りの行動を取るしかない。生憎,今回の旅行はわりあい天気には恵まれ,予定をほぼ消化できたことは幸いだった。 |
↓都心の公園でも日光浴は定番
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