朝のカタコンベ歩き~マルタ65
▼聖パウロのカタコンベ(=ローマ時代の習慣だった地下に埋葬する共同墓地のこと)は『ヘリテッジ・マルタ』という政府管轄の施設である。20万平方メートル以上の広さに約1000の墓地があるということだ。おもに3~6世紀ごろに埋葬されたらしい。ここから同じ通りをさらに南に100mほど進んだ場所には聖アガサの地下墓地もあるので紛らわしいが,そちらは政府の管轄ではない。また,通りを挟んだ向かい側には現代の墓地がある。地下にあるか地上にあるかの違いもあるが,それ以上に年代が2000年近くも離れているのは対照的である。カタコンベのような古代遺跡の類の国家施設は休館日がいたって少ない。観光に力を入れているから当然なのかもしれない。年末年始と復活祭前の金曜だけが休館日で,以前は休館日だった祝日は今は開館している。【2016/9/19(月) 午前 9:30】 |
このカタコンベに入るのに,早起きし,スリーマからバスをヴァレッタで乗り継いで午前9時に着いた。ちょうど開館時刻だ。しかし,門は開いたが,事務の人間が,地下墓地への扉の鍵を開けたり,門の前に看板を出したりと,午前9時を過ぎてから準備を始めだした。結局,外でその様子を見ながら,入場したのは午前9時8分になっていた。のんびりしたものだ。入場者が他にいなかったからいいものの,朝から並んでいたらこんなことはしていられないはずだが...門をくぐると左側にチケット売り場がある。チケットを 買うと,ヘッドホン付きのレシーバ(オーディオガイド)を貸してくれるが,日本語はないので断わる。ここを出て順路を行くと,奥の地下墓地から見学するようになっている。最初の地下墓地は階段を下りていくと,小部屋が3~4しかない小さなものである。すぐに地上に上がり,庭を一回りして,チケット売り場のすぐ隣の地下墓地の入口を降りていく。ここがメインの地下墓地である。階段を30段くらい降りると,広場に出る。この広場から小部屋が枝分かれし,小部屋には死者を埋葬していたであろう窪みがたくさんある。順路では時計と反対まわりに進んでいく。全部合わせるとかなりの広さがあるように思われる。中央に会葬者が埋葬者に対して最後の別れの食事をしたといわれている『アガペ・テーブル』があり,何もないような空間でこれだけは目立つ。このような地下洞窟は石灰岩でできた島だから簡単にできただろうが ,古代の人々の労力には感心させられる。洞窟内は整備され,明かりが灯されているが,ガランとした殺風景な岩の空間は寒々としている。まして ,誰もいない地下墓地という設定ではなお更である。蝋人形が佇んでいる訳でもないので一人でもどうということはないが... |
↓パリッシュ広場からこのような道を3~4分進む

結局,地上に出るまでずっと一人であった。観光客が多いこの施設で,ずっと一人で見学できたのは幸運である。場所はヴァレッタから82番の路線バスのラバト(終点)下車,ラバトの中心方向に進むと聖パウロ大聖堂のあるパリッシュ広場があるので,大聖堂を背に左斜め方向の道を進むと左側にある(指示が出ている)。聖パウロ大聖堂と同じ場所にはないので間違わないようにしたい。バスターミナルから徒歩10分くらいの距離である。 |
マルタの地図(自作)

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