北京駅前は大混雑~北京21
▼中国国鉄の北京駅は,首都を代表する鉄道駅の一つである。北京には国鉄の大きな駅が4つある。北京駅,北京北駅,北京西駅(西直門駅),北京南駅である。最大は北京西駅(アジアで最大と北京市では言っている)で,広州に行くにはこの駅から出発する。北京駅からは近距離だけでなく,遠距離の列車が多数発着している。夕方になると,上海や南京など華中方面へ行く夜行列車の発車が増えてくる。中国には特急や急行という優等列車のようなネーミングはなく,特別快速,快速などが日本の特急,急行に相当するようだ。ヨーロッパにも特急,急行などの別はなく,このような種別は日本,台湾,韓国などに特定されている。【2014/9/14(日) 午後 10:28】 |
↓中国鉄路北京駅

北京駅前(北側)には広場がある。けっこう広いスペースだが,公園になっているわけでも,噴水やベンチがあるわけでもない。何にもないだだっ広いコンクリートの広場だ。この広場の両脇(東と西)には,歩道橋が道路をまたぎ,さらに北側の区画に伸びている。北京駅前の道路はさして通行量は多くはないが,歩道橋で立体交差にしている。北側にある2つの区画の間は,北京駅の目の前であるのに横断歩道はあれども,信号がついていない。そういえばJR新宿駅前の,北京駅前と同じような配置の2区画同士もつい10年くらい前までは信号のない横断歩道だったので,国を代表する駅の前に信号がなくても不思議な話ではない。さて,この広場,さぞかし殺風景かと思ったら,やはり人で埋まっていた。とくに長距離列車の利用者が多い北京駅では,観光や商用で来ている人も時間の感覚がずれているのか,切符を早く買い求めたいのか,とにかく早くから駅に来ているようだ。待合室も数多くあるが,中国では発車の一定時間前にならないと待合室には入れない。列車ごとに待合室が決められている。電光掲示の時刻表にも行先,発車時刻,待合室が表示されている。ふと,時刻表を見ていると,21時前後の行き先に上海があった。それも待合室が「和諧号」用になっている。「和諧号」は中国の新幹線だ。日本やドイツが技術協力した鉄道だ。北京と上海を結ぶ車両は日本の新幹線車両と外観がそっくりなものもある。最高時速は250kmくらい出すそうだが,それでも北京・上海は9時間くらいかかる。21時台の発車ということは上海に着くのは翌朝だ。つまり,日本には存在しない新幹線の夜行列車ということになる。もっと驚くべきことに,車両は座席車もあるが,ほとんどが寝台車だ。新幹線車両に寝台が入っているということも日本ではあり得ない。夜行のため,夜間はあまり速度を上げず,時速150kmほどで走り,夜が明けると時速250km出すようだ。夜行寝台列車が時速250kmも出すことは日本ではあり得ないことだが,移動距離の長い中国ならではだ。中国では長距離バスにも寝台がある。座席はなくすべてが2段ベット装備のバスだ。道路があまりよくないだろうから揺れが相当あって,落ちる可能性もあるだろう。防止するためのベルトなどは当然常備されているだろう。 |
↓駅前広場は人の山

さて,北京駅前で列車を待つ人々。待つといっても,ベンチすらないので,地べたということになる。単独,カップル,家族,グループなど利用者の構成単位は異なるが,皆地べたに座り込みひたすら暇をつぶしながら列車を待っている。広場が臨時待合室化しているのだ。さすがに足の踏み場がないほどではないがこれだけでも中国を感じさせるひとコマである。さらに,この広場の地下には地下鉄が走っていて,その北京駅の入口が広場の西側にある。その入口も入場規制が行われるほど込み合っていて,地下に降りていくのさえ難儀である。人,人,人が飽きるほど目に焼きついてくる北京駅である。駅前の売店でカップ麺がたくさん積んであるのは北京の特徴だ。食堂も安いところはたくさんあるが,腹が空くと,とくに旅行者はカップ麺を買って街頭で食べるのが習わしだ。市内の観光名所でも皆同じ行動をとることはいうまでもない。 |
↓地べたでひたすら待つ人々

- 関連記事
-
-
北京駅前のテント屋台で休憩~北京26 2017/07/15
-
慕田峪長城へ3~北京25 2016/12/17
-
慕田峪長城へ2~北京24 2016/11/26
-
慕田峪長城へ1~北京23 2016/11/19
-
北京地鉄のドアは閉まるのがはやい~北京22 2015/11/22
-
北京駅前は大混雑~北京21 2014/09/14
-
スモッグの街・北京(続)~北京20 2013/01/27
-
故宮は人でごった返す5~北京19 2012/04/14
-
故宮は人でごった返す4~北京18 2012/04/07
-
故宮は人でごった返す3~北京17 2012/03/31
-
故宮は人でごった返す2~北京16 2012/03/24
-
Last Modified :