最近,多くの航空会社が,座席数こそ少ないが,エコノミー(Y)とビジネスクラス(C)の中間に,やや広めのエコノミー席を設置している。業界用語ではプレミアム・エコノミーと呼ぶ。座席はビジネスクラスとエコノミークラスに挟まれて設置され,前後のクラスとはカーテンなどで仕切られるようになっている。このプレミアム・エコノミーはマイレージ会員がエコノミー正規割引切符などを持っている場合にグレードアップできるようになっている。【2014/12/31(水) 午前 10:38】 |
何年か前,スカンジナビア航空(SK)のエコノミークラスをネットで予約したことがある。座席番号も決まっていたのだが,成田でチェックイン時に,「お客様,たいへん申し訳ありませんが,エコノミーが満席ですので,エコノミーエクストラ席に移っていただけませんでしょうか。」といわれ,もちろん断る理由もなく,無料でグレードアップされたことがある。スカンジナビア航空と同じアライアンス全日空(NH)のマイレージ会員だったからだろうと推測される。 |
↓成田で出発を待つSK984

↓エコノミーエクストラ席はビジネス席同様に優先搭乗である

スカンジナビア航空の「エコノミーエクストラ」と名付けられたプレミアム・エコノミー席は,2-3-2の配列で,エコノミークラスが2-4-2の配列に対してゆったり感がある。しかし,縦には3列しかないので定員は21名(縦3×横7)ということになる。指定された席が,ちょうどエコノミー席との境目(つまり縦3列の3列目)で,すぐ後ろのエコノミー席との間にはカーテンがあり(壁はないので見えないだけで,後ろの席の音は間近に聞こえることになる。),食事時にはそのカーテンは閉められた。後ろの席から座席配置が変わり,座席幅が狭くなる。エコノミー席とエコノミーエクストラ席との違いは,座席が広々しているというだけで,本来この両者に食事の差はつけていないと航空各社では言っているが,スカンジナビア航空は食事の差が歴然としている。エコノミーでは食事が選べなかったが,エコノミーエクストラでは食事が2種類から選べたし,エコノミーの食事はずいぶんと簡素化されたものに見えた(自身はちらっと見ただけで食べてはいない)。他の会社のエコノミーでは選べるところも多いことから,スカンジナビア航空のエコノミーの質は落ちているのだろうか。それにしても長時間の飛行で,座席がゆったりしているということは,気分はすこぶるよい。エコノミー症候群の恐れはあるものの,足の伸縮が自在にできるということはそれを最小限に抑えることができる。さらに,エンターテイメントに関し,スカンジナビア航空では,どのクラスにもパーソナルモニターが前の座席の後ろ部分に付いていて,映画や音楽などが楽しめるようになっている。しかし,ここでもエコノミーとエコノミーエクストラとの大きな違いがある。エコノミークラスの映画は自分で見る時間帯をコントロールできないが,エコノミーエクストラ席はオンデマンドで,開始,休止が自由にコントロールできるのだ。好きな時に映画を見始め,途中でポーズをかけて,その後再開ということが可能である。前者ではずっと映画に集中していなければならず,食事が出されても,食事をしながら映画を見続けなければならない。長時間の飛行機(例えばヨーロッパ線やアメリカ線など)の場合には,上級エコノミークラスの座席はたいへん寛げて,ビジネスクラスには及ばないものの大満足である。しかし,ビジネスクラスならともかく,わざわざ金を出してまで乗るほどでもないと思う。 |
↓カーテンの手前がエコノミーエクストラ席,その次からエコノミー席(中央が3列と4列の違い)


↓前方はビジネスクラス,エコノミーエクストラ席は3列21席のみ

↓エコノミー席よりは左右も前後もゆとりがある

↓成田を飛び立つと新潟方向へ

↓ビールはもちろん目的地デンマーク(コペンハーゲン)のカールスバーグ

↓食事もまずまず
