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ドン・ムアン駅を出ると,列車はかなり速度を落として走るようになった。線路沿いにはバラックを含め木造の民家や小屋が多くなり,高層建築物は見えなくなった。時折踏切があり,列車通過を待つ人や車の姿がはっきり見えた。ドン・ムアン駅から40分近くかかって,バーンスー駅を通過した。バーンスー駅は進行方向左側(東側)に駅舎を建設中で,いずれバンコク・フアランポーン駅に変わって,バンコク中央駅になる予定だ。それにしても,ドン・ムアン駅からバーンスー駅までの15㎞ほどを36分かかっているので,時速25kmほどだ。「スペシャル・エクスプレス」というのはけっして速さのことではない。【2018/7/7(土) 午前 8:47】 |
調整の効かない強い冷房のため,毛布にくるまっていたらいつのまにか眠りにつき,目が覚めたのは午前5時50分。外はうっすらと明るくなりつつあり,夜明け間近だ。遅れなく走っていればもうすぐドン・ムアン駅に着くはずだが,意外と正確に走っていたようで,ほぼ定刻にドン・ムアン駅に停車した(6:02)。駅の東側にはLCCや国内線専門のドン・ムアン空港がある。スワンナプーム国際空港ができるまでは,ここがバンコクの玄関口だった。線路の西を走る一般道には,まだ午前6時過ぎだというのにタクシーがたくさん走っていて,バンコク市街が近いことを示している。それでもここから終点のバンコク駅(フアランポーン駅)まではまだ1時間ほどかかる。線路沿いでは工事が盛んに行われていて何年か後には近代的なビル街ができているであろう。やがてタイ国際航空の近代的なビルが見えてきた(6:13)。ここはトレーニングセンターということだ。【2018/6/16(土) 午後 1:03】 |
まもなくワットラクシー(Wat Lak Si)が見え,さらに隣にラクシーITスクウェアが見えてきた(6:14)。ラクシーITスクウェアはドン・ムアン空港近くにあるショッピングセンターで(ドン・ムアン空港からバスで5分),PCや携帯関係の店がたくさん入っているが,飲食店も多いので,郊外とはいえ客は絶えない。食堂車から簡単な朝食が運ばれてきた。鶏の粥とフルーツなどだ。この辺りはバンコク北部で,近年はマンションなどが増え始め,あちこちで工事が進んでいる。その中にも寺院は必ずあり,ワットサミアンナリ(Wat Samian Nari)もその一つだ(6:30)。もうまもなく,チャトチャック市場に近いバーンスー駅に停車し,30分ほどで終点のバンコク駅だ。 |
チェンマイ駅を17時ちょうどに出発した,バンコク(フアラムポーン駅)行の急行列車は,ゆっくりとした速度で南下していく。チェンマイ・バンコク間はこの「2番」列車が最も速いが,それでも756kmを14時間ほどかかるので時速は50kmくらいで,急行列車と言うには寂しい。線路が悪く,凹凸や曲がりが多いので,スピードを出すと脱線の危険があるからだ。事実,大事故には繋がっていないが,よく脱線しているようだ。チェンマイを出発して数分も経てば,景色はグリーン一色になり,家はほとんど見えなくなる。【2018/5/19(土) 午後 1:19】 |
22分走って,初めての停車駅のラムプーン(LAM PHUN)に着いた。外はまだ明るく,ホームには人がいるのだが,乗り降り客はいない。この列車は長距離列車なので,通勤や通学で乗り降りする人は考えられない。ラムプーンを出ると,草原や田園などが続き,その中をひたすら列車は走る。疲れからか,ラムプーンを出てから30分経つころから居眠りをしてしまい,目覚めた時には駅に停車していた。チェンマイから2時間が経過した19時過ぎだ。外はだいぶ薄暗くなってはいるが,まだ明るい。離れた線路上には石油タンク車が停まっている。ここはナクホンラムパーン駅(Nakhon LAM PANG)というところだ。ラムパーンは歴史のある街だそうで,駅と市街地は離れているので賑やかさはまったく感じられない。しばし停車した後,列車は一路バンコクを目指し,夕闇の中に入って行った。 |
16時半を過ぎて,17時発のバンコク行2番列車に乗り込むことにした。2号車の1等寝台車だ。少し古めかしいが,1996年韓国製の車輛である。この列車には日本製車両は連結されていなかった。切符は日本から予約,発券してあったもので,チェンマイからバンコクまで約4,500円である。端が廊下になっていて,部屋は真ん中辺りにあった。室内は2段寝台で,出発時にはイスのままで,ベッドにはなっていなかった。隣の部屋とはドア1枚で行き来ができるようだが,もちろん施錠されていた。とはいえ隣の声はわりと聞こえるもので,ドイツ人男性2人らしかった。廊下との間のドアももちろん中から施錠でき,セキュリティはまずまずだが,部屋は予想通り狭い。個室だから1等寝台なのだろうか。洗面台は付いているのは救いだが,トイレは廊下に出て車輛の端まで行ってこなければならない。【2018/4/27(金) 午後 9:28】 |
出発してまもなく検札があり,その後夕食の注文を取りに来た。写真付なのでわかりやすい。食堂車も付いているが,部屋で食べる方が楽なので,数種類あるメニューから定食を注文した。やがて,19時を過ぎてベッドメインキングに来た。あっという間に2段ベッドをこしらえてくれた。幅は70cmほどだが,長さは十分あるので,寝られることは有難い。ただし,上段は冷房の吹き出し口が近く,調節はできないので,はっきりいって寒い。音もうるさく,寝るにはどうかと思う。ひたすら毛布にくるまり,耐えるしかないが,疲れからか22時までには眠ってしまったようだ。 |